大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)658 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士江口三五の上告理由第一点について。

しかし手形振出人の名称に附記された地は、その振出地の記載なき場合に手形を

振出した地と看做されるに過ぎないのであつて、それが振出人の登記簿上の営業所

所在地と異つていても手形たる効力を妨げるものではないのである。そして本件に

おいて、原判決が認定したように本件手形に振出人として表示された会社は、上告

会社とその商号および代表取締役の氏名を全く同一にするのみならず、右手形が右

取締役により会社の代表行為として振出されたものと認められる以上、右振出人欄

の記載は上告会社を表示したものと認めるのが相当であるとした原判決は正当であ

つて所論のような違法は認められない。

同第二点、第三点について。

しかし、本件手形が真正に振出されたものであることは、前点で述べたとおりで

ある。

これに対し上告人は訴訟手続の違背を云い、原審が上告人の申出た本人尋問を故

意又は重大なる過失に因り時機に遅れ、訴訟の完結を遅延せしむるものとして却下

し、即日結審するに至つたのは、民訴一三九条の解釈を誤つたものであると主張す

るが、記録に見られる本件訴訟の経過からすれば、原審の所論措置は正当であつて、

たとえそれが上告人にとつて唯一の証拠であつたとしても違法とすべきでないこと

は、当裁判所の判例とするところである(昭和二八年(オ)七二〇号・同三〇年四

月二七日大法廷判決、民集九巻五八二頁以下、参照)。なお違憲をいう点は、その

実質は単なる訴訟法違反の主張を出でず、そのような違反のないことは右のとおり

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であるから、論旨はいずれも理由がなく採用しがたい。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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